Webサイトの問い合わせフォームは顧客獲得の重要な窓口ですが、多くの企業が「ユーザーが入力途中で離脱してしまう」という課題を抱えています。離脱を防ぐには、ユーザー視点でのフォーム設計が不可欠です。本記事では問い合わせフォームの作成方法や基本構成について解説しつつ、離脱率の低下とコンバージョン率の向上に欠かせない7つのポイントを解説します。1. 問い合わせフォームを作る3つの方法Web問い合わせフォームを作成する方法は、大きく分けて「コーディングによる自作」「WordPressプラグインの活用」「専門サービスの利用」の3つです。作成方法主なメリット主なデメリット自作するデザインや機能を完全にカスタマイズできる自由度の高さ。自社システムとシームレスに連携可能。開発に時間とコストがかかり、プログラミングやセキュリティの専門知識が必要。WordPressのプラグインを使用する専門知識がなくても直感的な操作で簡単に設置できる手軽さ。豊富な機能が標準で利用可能。WordPressを使用していることが前提となり、高度なカスタマイズには限界がある。問い合わせフォーム作成サービスを利用する短時間で高品質なフォームを作成でき、管理機能やスパム対策も充実している効率性。月額料金が発生する場合があり、自社サイトとのデザイン統一性を保つのが難しい。以下で、各方法について詳しく見ていきましょう。自作するHTMLやCSS、JavaScript、PHPなどのプログラミング言語を活用して、オリジナルの問い合わせフォームを開発する方法です。技術的なスキルが必要ですが、完全にカスタマイズされたフォームを実現できます。メリットデザインや機能を完全にカスタマイズできる点が最大の強みです。ブランドイメージに合わせたUIデザインや、特定の業務フローに最適化した独自機能の実装が可能になります。例えば、入力内容に応じて動的に表示内容を変化させたり、社内システムと連携させたりといった柔軟な対応ができます。デメリット開発コストと時間がかかることが最大のハードルです。また、セキュリティ対策やスパム対策なども自前で実装する必要があるため、専門知識が求められます。さらに、ブラウザの互換性やモバイル対応などの技術的な課題も考慮しなければなりません。WordPressのプラグインを使用するWordPressでサイトを運用している場合、専用プラグインを使用することで問い合わせフォームを設置できます。「Contact Form 7」や「WPForms」などの人気プラグインが多数存在しています。メリットプログラミングの知識がなくても直感的な操作で高機能なフォームを作成できる点が大きな利点です。多くのプラグインは、ドラッグ&ドロップでフォームのレイアウトやフィールドの配置を視覚的に設定できます。さらに、「reCAPTCHA」などのスパム対策機能や、条件分岐機能なども標準で備えているものが多いです。デメリットWordPressを使用していることが前提となる点や、高度なカスタマイズには限界がある点が制約となります。また、プラグインの品質によってはセキュリティリスクや、サイト全体のパフォーマンスに影響を与える可能性もあります。問い合わせフォーム作成サービスを利用する専門のサービスを利用して問い合わせフォームを作成・運用する方法です。「formrun」「フォームメーラー」「Googleフォーム」などの無料・有料サービスがあります。メリット専門知識がなくても短時間で高品質なフォームを作成できる点が魅力です。多くのサービスはテンプレートを豊富に用意しており、デザインやレイアウトを簡単にカスタマイズできます。また、スパム対策や入力データの管理、統計分析機能なども標準で備えています。デメリットサービスによっては月額料金が発生する点や、自社サイトとのデザイン統一性が取りにくい場合がある点が課題です。また、高度なカスタマイズやサードパーティーシステムとの連携に制限がある場合もあります。データの管理が外部サービスで行われるため、情報セキュリティポリシーとの兼ね合いも検討する必要があります。2. 問い合わせフォームの基本構成効果的な問い合わせフォームを作るためには、基本的な構成要素を理解することが重要です。一般的な問い合わせフォームは「入力フォーム」「確認画面」「完了画面」という3つのステップで構成されています。それぞれの画面が果たす役割を把握し、ユーザーにとって使いやすい設計を心がけましょう。入力フォーム入力フォームは、ユーザーが情報を入力する最初のステップであり、問い合わせフォームの中核となる部分です。この画面の使いやすさが、コンバージョン率に大きく影響します。ユーザーが必要事項を入力するためには、目的に応じた適切なフィールドを選択することが重要です。以下は、一般的に使用される入力フィールドの種類とその特徴です。フィールドタイプHTML要素用途/適した情報特徴/メリットテキストフィールド<input type="text">名前、会社名、住所など一行の文字情報シンプルで使いやすく、さまざまな情報の入力に対応テキストエリア<textarea>問い合わせ内容、詳細情報など複数行のテキスト長文の入力が可能で、サイズ調整も可能ラジオボタン<input type="radio">性別、年齢層など単一選択が必要な項目選択肢が視覚的に把握でき、単一選択を強制できるチェックボックス<input type="checkbox">興味のある製品、サービスなど複数選択可能な項目複数選択が可能で、必須項目・任意項目の両方に対応セレクトボックス<select>都道府県、業種など定型的な選択肢多くの選択肢をコンパクトに表示できるファイルアップロード<input type="file">資料、画像などの添付ファイル様々な形式のファイルをフォームと一緒に送信可能日付選択<input type="date">希望日、予約日などの日付情報カレンダーUIで直感的に日付選択が可能メールアドレス<input type="email">連絡先メールアドレスブラウザによる基本的なメールアドレス形式の検証機能がある電話番号<input type="tel">連絡先電話番号モバイルデバイスでは数字キーパッドが表示される非表示フィールド<input type="hidden">トラッキングID、参照元ページなどユーザーには見えない情報を送信できるまた、入力フォームにはリアルタイムバリデーション(入力内容の即時検証)機能を実装することもポイントです。ユーザーは入力ミスをその場で修正できるようになるため、離脱率の低減が期待できます。例えば、メールアドレスの形式チェックや、入力必須項目の未入力チェックなどを実装すると効果的です。確認画面確認画面は、ユーザーが入力した情報を送信前に確認するためのステップです。この画面があることで、誤入力の防止やユーザーの安心感につながります。確認画面では、入力フォームで収集したすべての情報を明確に表示し、ユーザーが内容を確認できるようにします。特に、名前やメールアドレス、問い合わせ内容などの重要情報が正しく入力されているかを確認しやすいレイアウトにすることが大切です。また、修正が必要な場合に簡単に入力画面に戻れるボタンと、確認後に送信するためのボタンを明確に配置しましょう。確認画面のデザインは、入力フォームと統一感を持たせつつ、「確認中」であることが一目でわかるよう工夫するとよいでしょう。例えば、進行状況を示すプログレスバーを表示するなどの方法があります。これにより、ユーザーは自分がどの段階にいるのかを把握できます。完了画面完了画面は、ユーザーがフォームの送信を完了した後に表示される画面です。この画面はユーザー体験の締めくくりとして重要な意味を持ちます。完了画面では、まずユーザーの問い合わせが正常に送信されたことを明確に伝える必要があります。「お問い合わせありがとうございました。」などのメッセージとともに、受付番号や送信日時などの情報を表示すると、ユーザーに安心感を与えられます。また、「担当者より○営業日以内にご連絡いたします」など、今後の対応についての見通しを伝えることも大切です。さらに、完了画面はユーザーの次のアクションを促す好機でもあります。例えば、よくある質問(FAQ)ページへのリンクや、関連サービスの紹介、ソーシャルメディアのフォローボタンなどを設置することで、ユーザーとの継続的な関係構築につなげることができます。ただし、情報過多にならないよう注意が必要です。あくまでも問い合わせ完了の確認が主目的であることを忘れないようにしましょう。3. 問い合わせフォームからのユーザー離脱を防ぐ7つのポイント顧客獲得の重要な入口となる問い合わせフォーム。効果的なフォーム設計でユーザーの離脱を防ぎ、コンバージョン率を向上させる7つのポイントを紹介します。ポイント1:入力項目を必要最低限に絞るフォームの入力項目は、目的達成に必要な最小限の情報に絞ることが重要です。一般的に、フォームの入力項目数を減らすとコンバージョン率は向上し、入力項目が多すぎるとユーザーの負担が増大し、離脱されやすくなるとされています。特に初回の問い合わせでは、名前とメールアドレスだけを必須とし、その他の情報は任意項目とするか、または初回コンタクト後に取得するという段階的なアプローチが効果的です。また、入力項目を削減する際には、以下の観点から精査すると良いでしょう。この情報がなければ対応できないか?この情報は他の方法で代替できないか?この情報は後のステップで取得できないか?例えば、「ご用件」のプルダウンメニューの代わりに完了画面で関連するFAQへ誘導する方法や、詳細な個人情報は初回レスポンス後に収集するなど、ユーザーの入力負担を分散させる工夫が効果的です。ポイント2:リアルタイムでエラーを明確に表示するユーザーが入力中にエラーを見逃し、送信ボタンをクリックした後にまとめてエラーが表示される場合、修正の手間と煩わしさから離脱につながりやすくなります。リアルタイムバリデーションを実装して、入力と同時にエラーチェックを行うことが重要です。効果的なエラー表示の要素としては、以下が挙げられます。エラーが発生した項目を赤枠や背景色で視覚的に強調するエラーメッセージは具体的かつ解決策を示す(「無効なメールアドレスです」ではなく「@マークを含めたメールアドレスを入力してください」など)入力フィールドの近くにエラーメッセージを表示する正しく入力された場合は緑色のチェックマークなど、ポジティブなフィードバックも表示するJavaScriptを活用したリアルタイムバリデーションは、入力値の確認だけでなく、フォーマットの自動変換(電話番号のハイフン挿入など)にも活用できます。これにより、ユーザーの入力負担を軽減しつつ、正確な情報取得が可能になります。ポイント3:モバイルフレンドリーなデザインにする総務省が公表している「令和6年版 情報通信白書」によると、2023年における個人のインターネット利用は、スマートフォンからの利用率が72.9%に達し、パソコンからの47.4%を大きく上回っています。スマートフォンやタブレットからでも快適に問い合わせができるよう、モバイルフレンドリーな設計が不可欠です。モバイルフレンドリーなフォームデザインのポイントとしては、以下が挙げられます。レスポンシブデザインで画面サイズに合わせた最適表示を実現するタップしやすいボタンサイズにする(最低でも縦幅44pxを推奨)入力フィールドは十分な高さと幅を確保する入力内容に応じた適切なキーボード表示を設定する(電話番号には数字キーボード、メールアドレスには@を含むキーボードなど)スクロールの必要性を最小限に抑えたレイアウト設計をするまた、特にモバイルでは画面遷移の少なさが重要です。可能であれば、入力・確認・完了の3ステップをアコーディオン方式で1ページ内に収めるなど、ページ読み込みの待ち時間をなくす工夫も効果的です。ユーザーの集中力が途切れないよう、スムーズな入力体験を提供しましょう。ポイント4:フォームへの導線と視認性を向上させるユーザーが問い合わせフォームを簡単に見つけられるよう、適切な導線設計と視認性の向上が重要です。せっかく良いフォームを作っても、ユーザーが見つけられなければ意味がありません。以下は、フォームへの効果的な導線設計のポイントです。サイト内の複数箇所に「お問い合わせ」ボタンを配置する(ヘッダー、フッター、サイドバーなど)ボタンやリンクは目立つ色やデザインにする「今すぐお問い合わせ」「無料相談はこちら」など、アクションを促す明確な文言を使用するスクロールしてもヘッダーにお問い合わせボタンが表示されるスティッキーヘッダーを採用するまた、フォーム自体の視認性を高めるためには、以下の工夫が効果的です。適切な余白とコントラストで読みやすさを確保する入力フィールドのグループ化やセクション分けでわかりやすく構造化するフォーム全体を枠線やシャドウで囲み、周囲のコンテンツと区別する重要な情報や必須項目は目立つデザインにする特に企業サイトでは「サービス概要を読んだ→詳細を知りたい→問い合わせる」という自然な流れを意識し、各ページからスムーズに問い合わせフォームへ誘導できるよう設計することが大切です。ポイント5:入力補助機能を活用するユーザーの入力負担を軽減するための補助機能は、フォーム完了率を高める効果的な方法です。自動入力や入力支援機能を活用して、ユーザーの手間を最小限に抑えましょう。代表的な入力補助機能には以下があります。郵便番号からの住所自動入力機能ブラウザのオートフィル(自動入力)機能に対応したフィールド設計プルダウンメニューや選択肢の活用(自由入力よりも選択式のほうが簡単)プレースホルダーテキスト(入力例や入力形式の表示)入力内容に応じた候補表示(サジェスト機能)日付選択のためのカレンダーUIの提供特に日本では、郵便番号からの住所自動入力機能は効果的です。7桁の郵便番号を入力するだけで都道府県・市区町村・町名までが自動入力されれば、ユーザーは残りの番地だけを入力すればよいため、大幅な負担軽減になります。また、フィールドのラベルやプレースホルダーテキストは、入力内容の理解を助ける重要な要素です。「例:03-1234-5678」のように具体的な例を示すことで、ユーザーは迷わず正確な情報を入力できます。ポイント6:段階的な入力プロセスを設計する長いフォームの場合、すべての項目を一度に表示するとユーザーに圧迫感を与えてしまいます。入力プロセスを複数のステップに分割し、段階的に進める設計にすることで、ユーザーの心理的負担を軽減できます。段階的な入力プロセスの実装方法としては、以下が挙げられます。関連性のある質問をグループ化(基本情報、連絡先、問い合わせ内容など)各ステップの進捗状況を視覚化(プログレスバーやステップインジケーターの表示)最初のステップは簡単な質問だけにして心理的ハードルを下げる「次へ」「戻る」ボタンで自由に行き来できるようにする入力途中でも一時保存できる機能を提供する(特に長いフォームの場合)多段階フォームを設計する際のポイントは、ユーザーが「あとどれくらいで終わるのか」を常に把握できるようにすることです。例えば「ステップ2/3:連絡先情報」のように明示することで、完了までの見通しが立ち、離脱を防止できます。また、条件分岐を活用した動的フォームも効果的です。例えば、「ご希望の連絡方法」で「電話」を選んだ場合のみ電話番号入力欄を表示するなど、ユーザーの回答に応じて必要な項目だけを表示する設計にすることで、不要な入力を省略できます。ポイント7:プライバシーポリシーを明示して信頼性を高める個人情報保護に対する意識が高まる中、プライバシーポリシーの明示はユーザーの信頼を獲得するために不可欠な要素となっています。情報の取り扱いに関する透明性を示すことで、ユーザーの不安を軽減し、情報提供への抵抗感を下げることができます。効果的なプライバシーポリシーの表示方法としては、以下が挙げられます。フォーム近くに簡潔な個人情報の取り扱いについての説明を記載する詳細なプライバシーポリシーへのリンクを設置するチェックボックスで同意を得る仕組みを導入するSSL証明書を導入し、情報の暗号化を行っていることを示すプライバシーマークなど、第三者認証の取得がある場合はそれを表示する特に入力項目が多い場合や、機微な個人情報を取得する場合は、「この情報が必要な理由」を簡潔に説明することも効果的です。例えば、「より適切なご提案のために、ご予算をお聞かせください」というように、情報収集の目的を明示することで、ユーザーの理解と協力を得やすくなります。また、送信ボタンの近くには「この内容で送信する」というだけでなく、「プライバシーポリシーに同意して送信する」といった文言を添えることで、情報提供に対する安心感を高めることができます。特にECサイトやサービス申込みなど、コンバージョンの価値が高いフォームでは、こうした信頼性の向上が成約率に影響します。4. フォーム最適化と顧客体験向上で、成約率アップを目指そう!今回は問い合わせフォームの作成方法と基本構成、そしてユーザーの離脱を防ぐ7つのポイントをご紹介しました。以下に本記事の要点をまとめます。ユーザーが離脱せず問い合わせを完了させるには、入力項目を最小限にし、入力補助機能を活用しながら、スマートフォンからの入力に最適化したデザインを導入することが重要である。フォームの視認性を高め、段階的な入力プロセスを設計し、エラーをリアルタイムで明確に表示することで、ユーザー体験が向上し完了率が高まる。プライバシーポリシーの明示や適切なセキュリティ対策を表示して情報収集の目的を明確にすることで、ユーザーの信頼を獲得しコンバージョン率を向上させることができる。問い合わせフォームを作成する際は、ユーザーの離脱率を防ぎ、完了率を高める工夫を行うことが重要です。加えて、その後の成約率を高めるためには、フォームから寄せられた問い合わせに対して迅速かつパーソナライズされた返信を行い、ユーザー体験の向上を図ることが重要です。実際、多くの企業が問い合わせに対する自動返信を行っているものの、あらかじめ作成しておいた固定文による「一次返信」にとどまる場合が多いです。この場合、ユーザーが欲しい情報を手に入れるまでタイムラグが発生します。そこでご紹介したいのが、メディアリンクが提供するメール自動返信システム「AItoMail(アイトメール)」です。「AItoMail」はフォームから寄せられた問い合わせ内容に応じ、適切な返信文をAIが自動で作成・送信するシステムです。一次返信ではなく、寄せられた疑問・質問に即座に回答できるため、ユーザー体験が大きく向上します。問い合わせフォームの作成・改善に取り組む際は、ぜひ「AItoMail」をご検討ください。<生成AIでメール返信を効率化&パーソナライズ化!「AItoMail」の詳細はこちら>なお、以下からオンライン面談をお申し込みいただけます。些細なことでも構いませんので、気になることがあればぜひお気軽にご相談ください。%3C!--%20Begin%20TimeRex%20Widget%20--%3E%0A%3Cdiv%20id%3D%22timerex_calendar%22%20data-url%3D%22https%3A%2F%2Ftimerex.net%2Fs%2Fshin.miyata_b98b%2Fbd3ca95d%22%3E%3C%2Fdiv%3E%0A%0A%3Cscript%20id%3D%22timerex_embed%22%20src%3D%22https%3A%2F%2Fasset.timerex.net%2Fjs%2Fembed.js%22%3E%3C%2Fscript%3E%0A%0A%3Cscript%20type%3D%22text%2Fjavascript%22%3E%0A%20%20TimerexCalendar()%3B%0A%3C%2Fscript%3E%0A%3C!--%20End%20TimeRex%20Widget%20--%3E