インターネットや通信販売での買い物時に利用できる後払い決済サービス「スコア後払い」を提供し、導入実績3,000社以上を誇る株式会社SCORE様。同社では後払い決済サービスに関する問い合わせ窓口としてコンタクトセンターを設置しており、数十名のオペレーターが在籍しているものの、非常に多くの呼量を抱えており、業務が圧迫されている状況だったといいます。「お客様の満足度を下げずに電話業務をどう効率化するか」と考えた結果、同社が解決策として選んだのが、メディアリンクのAI型ボイスボット「AItoVoice(アイトボイス)」でした。今回は、同社コンタクトセンターマネージャーの猪野様と、コンタクトセンターでSVを務める仲渡様に、導入前に抱えていた課題や導入の決め手、そして導入後の成果について詳しく伺いました。「AItoVoice」導入前の課題オペレーター数十名に対し非常に多くの呼量があり、規模に対して電話量が多すぎることで業務が圧迫されていたオペレーターの採用が困難な状況にあり、時間帯によっては人手不足で業務がさらに圧迫される悪循環に陥っていた営業時間外の電話には、時間外アナウンスでしか対応できず、顧客満足度の低下が懸念されていた「AItoVoice」導入後の成果前年対比で約20%の呼量削減に成功し、電話業務の負担を大幅に軽減できた時間外でもリアルタイムに対応できる24時間体制を実現し、顧客満足度を下げることなくサポートを提供できるようになったAIに関する知見がゼロの状態から効果的に運用できるようになったことで、先進的な取り組みに対するスタッフの自信が芽生えたAItoVoice導入前の課題呼量の多さがオペレーターの業務を圧迫当社は現在、インターネットや通信販売でお買い物をされたお客様向けに、「SCORE後払い」という決済サービスを提供しています。そのサービスに関するお問い合わせ対応はコンタクトセンターが担っており、払込票の紛失や破損、期限切れ、入金確認など、お電話だけでなくメールでのご連絡にも対応しています。コンタクトセンターでは数十名のオペレーターが稼働しているものの、規模に対して呼量が非常に多く、オペレーターの業務が圧迫されていました。1か月あたりの電話量が非常に多く、他社と比較しても明らかに多い水準でした。メールであればある程度時間をかけて返信できますが、電話の場合はすぐに出て、その場でお客様のお困りごとを解決しなければいけません。そうしたリアルタイム性が求められる業務に、多くの時間とリソースを取られている状況でした。人材確保の困難さも業務改善のネックに状況をさらに厳しくしていたのが、オペレーターの採用難です。昨今は賃金上昇や担い手不足などの影響もあり、必要な人員数を確保しづらい状況が続いています。その結果、時間帯によっては人手が不足し、業務がさらに圧迫されるという悪循環に陥っていました。そこで私たちは、「リアルタイム性が求められる電話業務をどう減らすか」という視点で解決策を模索し始めました。当社ではすでにチャットボットを導入していたのですが、電話でのお問い合わせにもスピーディーかつ自動で回答できるサービスはないかと情報収集したところ、ボイスボットという選択肢にたどり着きました。AItoVoice導入の決め手開発から伴走できる点に価値を感じた情報収集を進める中で、メディアリンクのボイスボット「AItoVoice」に関するウェビナーのアーカイブ動画に出合いました。当時のAItoVoiceはまだ開発中のタイミングでしたが、内容を視聴して「これは私たちが求めている内容かもしれない」と期待感を持ったことを覚えています。実は、当時の私たちはAIについての知見がまったくありませんでした。「どのように使っていくべきものなのか」「本当に効果があるのか」と、ボイスボットの活用に不安を抱えている状態だったのです。だからこそ、「開発中」という点に、むしろ魅力を感じました。開発段階から携わることができれば、足りない知識を少しずつ積み上げることができます。通常なら選択肢から外れるかもしれませんが、段階的に学びながら進められる環境があることが重要と考えていましたから、こちらから「一緒にやらせてください」とお声がけさせていただきました。担当者の「プロフェッショナルな姿勢」も決め手にもう一つ、AItoVoiceの導入を決断する要因となったのが、過去のやり取りから生まれたメディアリンクへの信頼感でした。実は以前、チャットボットの導入を検討した際にも同社とは接点がありました。最終的には他社製品を選ぶことになったのですが、そのとき担当された方の対応が本当に誠実で、プロフェッショナルな姿勢が強く印象に残っていました。その後、AIボイスボットの活用を検討する中で同じご担当者様がAItoVoiceの開発をリードされていることを知り、再びお声がけさせていただく運びとなりました。他社との圧倒的なコスト差も魅力ボイスボットの導入にあたっては、7社ほどのサービスを比較しました。しかし、多くのサービスはコストが桁違いで、検討のテーブルに載せることすらできませんでした。その点、AItoVoiceは初期費用・月額利用料ともに比較的安価でした。こうした他社サービスと比較したコスト面の優位性も、AItoVoiceを導入した大きな理由です。迅速なサポートが導入時の不安を払拭AItoVoiceの導入に際して不安がないわけではありませんでした。特に懸念していたのが、AI学習のための管理の手間です。運用でかえって労力がかかってしまい、「現場の負担が増えるのではないか」という懸念はありました。しかし実際には、その心配は杞憂でした。ナレッジの作り方など、わからないことは都度メディアリンクに質問できる環境でしたし、尋ねるたびに迅速にフィードバックやサポートをいただけたので、導入を決めてから大きな不安を感じることはありませんでした。AItoVoiceの導入成果前年対比約20%の呼量削減を実現現在は有人コンタクトセンターにつながる電話番号に加え、AItoVoiceの専用番号を用意しています。お客様には従来と同じく「オペレーターが対応する電話番号」のほか、新たにAItoVoiceを活用した「AIが対応する電話番号」の2種類の問い合わせ窓口をご案内しているかたちです。AItoVoice導入後の具体的な成果としては、前年対比で約20%の呼量削減に成功しました。他の業務改善も並行しているためAItoVoiceによる純粋な効果ではありませんが、もともと非常に多くの呼量があったわけですから、削減できたボリュームは非常に大きいです。時間外対応の自動化で顧客満足度も維持呼量削減もさることながら、成果として特に大きかったのが営業時間外対応の実現です。当社のコンタクトセンターはこれまで、夜間や休日にかかってきた電話には時間外アナウンスで対応するしかありませんでした。これがAItoVoiceを導入したことにより、時間外でもリアルタイムに対応できるようになりました。もちろんAIが対応できるお問い合わせが対象にはなりますが、お客様の満足度を下げることなく24時間体制でのサポートを提供できるようになったのは大きな成果です。ちなみに、当初は営業時間内にAItoVoiceを活用していたのですが、思ったほど利用数が伸びませんでした。そこで時間外対応をAItoVoiceに任せてみたところ、大きな効果が現れました。利用数向上のため「電話属性」のお客様に届く周知を実施AItoVoiceの利用を促すため、お客様への周知方法についても改善を重ねました。最初は入金に関するご案内メールの中に「24時間対応できます」といった案内文を掲載しつつ、AItoVoiceの電話番号を周知していました。ところが、それだけではあまり効果が出なかったのです。それもそのはずで、メールを読んで案内を確認するお客様は、そもそもメールでやり取りしたい属性の方です。私たちが本当にリーチしたいのは電話でのコミュニケーションを好むお客様ですから、時間外にかかってきた電話のアナウンスの中で、AItoVoiceの電話番号を案内する方法に切り替えました。このように電話をかけてこられるお客様に対し、電話という同じチャネルでご案内することで、AItoVoiceの利用数を向上させることができました。伴走型のサポートで運用も安心導入後の運用面においても、メディアリンクのサポート体制には満足しています。特にありがたかったのが、ハルシネーション(AIによる誤回答)への対策です。機能面での調整なのか、ナレッジの修正なのか、プロンプトの変更なのか、「何をどのようなアプローチで改善すればよいのか」を具体的にガイドしてくれて本当に助かりました。また、利用数を増やすためのアイデアも積極的に提案していただきました。先ほどお話ししたメールの案内文の工夫なども、その一つです。サービスを提供して終わりではなく、成果を出すために一緒に考えてくれる姿勢が非常に心強いです。お客様の多くは「ボイスボットへの抵抗が少ない」ことを発見AItoVoice導入後は、日々お客様の質問とAIの回答を見比べています。その中で、意外とAIを受け入れているお客様が多いことがわかりました。以前は「AIの対応に抵抗を感じる方も多いのでは」と思っていましたが、実際には大半のお客様がスムーズに利用され、AIとのやり取りで自己解決まで至っています。一方で課題も見えており、使い方がわからず問い合わせ自体を諦めてしまっているお客様が一定数いらっしゃることも事実です。現状はお客様が二分されているような印象がありますから、この点は今後の改善ポイントだと認識しています。先進的な取り組みで芽生えたスタッフの自信AItoVoiceを導入したことで、社内メンバーの意識も大きく変わりました。AIに対する知見がまったくないところからのスタートでしたが、実際に効果を出し、スムーズに運用できるようになったことで、スタッフの中に自信が芽生えてきているのを感じます。他社のコンタクトセンターと比較しても、ボイスボットをここまでうまく活用できている事例は多くないと思います。先進的な取り組みができているという自負がありますし、それがチーム全体のモチベーション向上にもつながっています。AItoVoice活用の展望お客様からの「折り返し電話」への対応も自動化し、別部署ヘの展開も模索中これまでのAItoVoiceの主な用途は、払込票の紛失や入金確認といった「お支払いに関するお問い合わせ」への対応でしたが、その他の活用法も検討しており、実際に取り組みを始めています。具体的には、お客様から頂戴する「折り返し電話」の対応をAItoVoiceに担ってもらう、という使い方です。当社では入金期限が過ぎて一定期間経過したお客様にショートメールでコンタクトを取っているのですが、従来はそのメール内に「オペレーターにつながる電話番号」を掲載していました。しかし、メール配信後のタイミングは折り返し電話が殺到するため、オペレーターが余裕を持って対応できるよう、事前に人数を調整する必要があったのです。そこで、メールでご案内する番号をAItoVoiceに切り替えることにしました。それによって人数調整の手間が省け、オペレーターが対応すべき電話件数も削減できるのではないかと考えたためです。うれしいことに思惑通りの効果が出始めており、現在は別部署での活用方法も模索しています。AItoVoice導入検討企業へのアドバイス問い合わせ内容の「事前分析」と「棲み分け」が重要まず重要なのは、問い合わせの種類を事前に分析し、AIで対応可能な範囲とそうでない範囲を棲み分けておくことです。これをしっかり整理しておけば導入後の効果測定もしやすくなりますし、目標とギャップが生じた際も「どのように改善すべきか」の対策が立てやすくなると思います。AIの特性を理解し、適切な期待値を設定することも大切もうひとつ重要なのは、「AIと人間の対応は本質的に異なる」という点を理解しておくことです。AIの回答は多くのお客様に当てはまる一般的な内容になり、人間のように個人に寄り添った細かな対応は難しいのが現状です。「AIが人と同じように対応してくれる」という過度な期待は、サービスへの失望につながりかねません。大切なのは、「24時間対応できる柔軟性」のようなAIならではの強みに目を向けることではないでしょうか。さらに顧客目線に立ち、人間とAIが与える印象の違いを考慮することも必要です。人とAI、それぞれが持つ価値を見極めたうえで活用することも、AItoVoiceのようなAIツールを使いこなす鍵になると思います。株式会社SCOREの概要会社名 :株式会社SCORE(https://corp.scoring.jp/)所在地 :京都府京都市南区西九条院町26番地代表者 :代表取締役社長 北原 光設立 :2018年9月事業内容:後払い決済事業決済データを活用した各種金融事業AItoのご紹介企業のカスタマーサポート業務をAI化することで、問い合わせ対応の自動化・効率化を推進するサービス「AIto(アイト)」は、メディアリンクが提供するマルチチャネルAIエージェントです。共通のナレッジデータベースを活用した以下の4サービスを統合することで、チャット・電話・メール・WebページのマルチチャネルにおけるAI対応を実現します。AI型チャットボット「AItoChat(アイトチャット)」AI型ボイスボット「AItoVoice(アイトボイス)」AI型メール自動返信システム「AItoMail(アイトメール)」AI型FAQ検索システム「AItoFAQ(アイトエフエーキュー)」「AIto」は単なるAI自動応答ツールではなく、カスタマーサポートの一員として皆さんと一緒に業務を行う仲間です。自律型AIとして、あらゆる問い合わせ業務の自動化を実現します。「AIto」にご興味をお持ちの方は、ぜひ以下からオンライン面談をお申し込みください。